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<p><span style="color: #00826a;"><strong>「親知らず」（Wisdom Teeth）</strong></span>とは、最後の奥歯（第3大臼歯）で、通常は思春期後半から20歳前後に生えてきます。一般的に親知らずは4本（左上、右上、左下、右下）あります。</p>
<h2><span style="color: #00826a;">親知らずの抜歯と手術の違いは？<strong><br />
</strong></span></h2>
<p>親知らずは歯茎や周囲の組織に炎症や感染を引き起こし、痛みの原因となることがあります。顎のスペースが不足して親知らずが正常に生えない場合や、親知らずが隣の歯にぶつかる位置や角度で生える場合も問題が生じます。また、親知らずは清掃が難しいため、歯科医師は痛みがなくても抜歯や手術を勧めることが多いです。抜歯と手術では難易度、費用、副作用などに違いがあります。</p>
<table style="border-collapse: collapse;" border="1">
<tbody>
<tr>
<td>
<p style="text-align: center;"><strong>親知らずの抜歯</strong></p>
</td>
<td>
<p style="text-align: center;"><strong>親知らずの手術</strong></p>
</td>
</tr>
<tr>
<td style="text-align: center;">親知らずが完全に生えている場合の治療</td>
<td style="text-align: center;">親知らずが歯茎の下にある、または一部だけ生えている場合の治療</td>
</tr>
<tr>
<td style="text-align: center;">時間が短い</td>
<td style="text-align: center;">複雑で時間がかかる</td>
</tr>
<tr>
<td style="text-align: center;">治療費が安い</td>
<td style="text-align: center;">費用が高い</td>
</tr>
<tr>
<td style="text-align: center;">縫合不要</td>
<td style="text-align: center;">傷口を縫合し、抜糸のために通院が必要</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<h2><span style="color: #00826a;">親知らずができる原因</span></h2>
<p>咀嚼機能の発達により顎の骨のサイズが小さくなってきたため、最大の奥歯である親知らずが正常に生えるスペースが不足し、現在のように親知らずの手術が必要になる原因となっています。</p>
<h2><span style="color: #00826a;">親知らずの生え方の種類</span></h2>
<p>親知らずは隣の歯との角度や位置によっていくつかのタイプに分かれ、以下の4つのパターンがあります。</p>
<table style="border-collapse: collapse;" border="1">
<tbody>
<tr>
<td>
<p style="text-align: center;"><strong>タイプ</strong></p>
</td>
<td>
<p style="text-align: center;"><strong>親知らずの特徴</strong></p>
</td>
</tr>
<tr>
<td>
<p style="text-align: center;"><strong>メジアルインパクション（Mesial impaction）</strong></p>
</td>
<td>前方に傾き隣の奥歯を押す形で、AngularまたはMesioangular impactionとも呼ばれます。このタイプが<strong><em>最も多く見られ</em></strong>、完全に生えないことが多いです。</td>
</tr>
<tr>
<td>
<p style="text-align: center;"><strong>ディスタルインパクション（Distal impaction）</strong></p>
</td>
<td>メジアルとは逆方向に傾いており、後方に向かって生えます。傾きが少なければ<strong><em>炎症を起こさずに生えてくる可能性があり</em></strong>、<strong><em>手術や抜歯が不要な場合もあります</em></strong>。場合によっては1～2年経過観察してから手術の判断をします。</td>
</tr>
<tr>
<td>
<p style="text-align: center;"><strong>バーティカルインパクション（Vertical impaction）</strong></p>
</td>
<td>正常な角度で真っ直ぐ生えており、隣の歯を押しません。<strong><em>予後が良好</em></strong>で、<strong><em>手術や抜歯をせずに正常に生える可能性が高い</em></strong>タイプです。</td>
</tr>
<tr>
<td>
<p style="text-align: center;"><strong>ホリゾンタルインパクション（Horizontal impaction）</strong></p>
</td>
<td>親知らずが水平に並んでおり、<strong><em>最も抜歯が難しい</em></strong>タイプで、<strong><em>治療と回復に最も時間がかかります</em></strong>。そのため、口腔外科専門医による治療が推奨されます。</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<h2><span style="color: #00826a;">どのような親知らずの症状で手術が必要か？<strong><br />
</strong></span></h2>
<p>多くの場合、親知らずは思春期後半から成人初期にかけて生えますが、症状が全くない人もいれば、以下のような症状が現れることもあります。</p>
<ul>
<li aria-level="1">歯茎の痛み、炎症、出血（歯周病による）</li>
<li aria-level="1">歯茎の腫れ、時には頬や顎まで腫れることがあり、炎症や感染の結果です</li>
<li aria-level="1">顎の痛み</li>
<li aria-level="1">歯磨きやデンタルフロスが困難なため虫歯になりやすい</li>
<li aria-level="1">味覚障害や口臭（食べかすが清掃困難な部位に溜まるため）</li>
<li aria-level="1">口を開けにくい、開けると痛い（炎症が口腔外に広がった場合）</li>
</ul>
<p>これらの症状がある場合は、問題の悪化を防ぐために早急な手術が必要となることがあります。ご相談はパヤタイ1病院歯科センター（電話：02-201-4600 内線3415、02-245-9627、02-245-9610）までどうぞ。</p>
<h2><span style="color: #00826a;">親知らずの手術は必ず必要か？<strong><br />
</strong></span></h2>
<p>すべての親知らずを手術する必要はありません。歯科医師が手術を勧める主な理由は、その親知らずが清掃困難で将来的に炎症や感染のリスクが高いためです。18～25歳の間に手術を行うと簡単で回復も早く、合併症も少ないため、早めの手術が推奨されます。26～50歳以降に症状が出た場合は、歯科医師の判断によります。</p>
<h2><span style="color: #00826a;">歯科医師が推奨する親知らずの抜歯・手術の主な適応</span></h2>
<ol>
<li aria-level="1">親知らずが一部だけ生えている場合</li>
<li aria-level="1">親知らずが過去に、または現在炎症や感染を起こしている場合</li>
<li aria-level="1">親知らずの配列が異常な場合</li>
<li aria-level="1">親知らずに対する噛み合う歯がなく、噛み合わせに問題を起こしている場合</li>
</ol>
<h2><span style="color: #00826a;">なぜ親知らずの手術が必要か</span></h2>
<ol>
<li aria-level="1">親知らず周囲の歯茎が炎症を起こしやすく、食べかすが溜まりやすいため</li>
<li aria-level="1">清掃が困難で虫歯になりやすいため</li>
<li aria-level="1">親知らず周囲に嚢胞（シスト）ができ、歯茎や骨を破壊する可能性があるため</li>
</ol>
<h2><span style="color: #00826a;">親知らずの手術は怖くて危険か？<strong><br />
</strong></span></h2>
<p>親知らずの手術による危険性は低いです。ただし、親知らずが異常な位置にあったり深く埋まっていたり、炎症や感染がある場合は手術が複雑で時間がかかり、副作用のリスクが高まります。</p>
<p>歯科医師が手術を勧める場合は、利益がリスクを上回ると判断したためです。副作用が起きても多くは一時的で治療可能です。考えられる副作用には出血、ドライソケット（抜歯窩炎）、感染、神経損傷などがあり、専門医の判断で治療されます。</p>
<h2><span style="color: #00826a;">手術を希望しない場合の影響は？</span></h2>
<ul>
<li aria-level="1">親知らずと第2大臼歯が異常に接近しているため、清掃が困難で両方の虫歯リスクが高まる</li>
<li aria-level="1">口臭の原因となる炎症や虫歯、食べかすの蓄積により、口臭が発生しやすくなり、印象が悪くなる</li>
<li aria-level="1">部分的に生えた親知らずの歯茎が炎症を起こしやすく、痛みや腫れ、膿が出ることがある。放置すると炎症が顎下や舌下に広がり、呼吸困難や生命の危険を招くこともある</li>
<li aria-level="1">嚢胞（シスト）ができ、隣接する歯や骨を破壊することがある</li>
<li aria-level="1">親知らずの圧力で周囲の骨が溶け、隣の歯の根元の骨が破壊されることがある</li>
</ul>
<h2><span style="color: #00826a;">親知らずの手術は痛いか？治るまで何日かかる？<strong><br />
</strong></span></h2>
<p>実際には、多くの患者さんが思っているほど痛くないと感じています。手術前の麻酔注射時に少し痛みを感じることがありますが、その後は軽い圧迫感程度で、親知らずの問題による痛みや副作用よりも少ないです。</p>
<p>手術は経験豊富な専門医の管理下で行われるため、術後1週間ほどで症状は改善します。最初の2～3日は歯茎が腫れて痛みがあり、食事が困難になるため自宅で安静にすることが推奨されます。その後、食事ができるようになり傷口が治るにつれて症状は徐々に良くなります。縫合した場合は7～10日後に抜糸のため通院が必要です。</p>
<h2><span style="color: #00826a;">親知らずの手術費用は高いか？<strong><br />
</strong></span></h2>
<p><span style="color: #00826a;"><strong>親知らずの手術費用は以下の要因によって異なります</strong></span></p>
<ol>
<li aria-level="1">親知らずの位置：顎の骨の深くに埋まっている場合は手術が複雑で時間がかかるため費用が高くなる</li>
<li aria-level="1">親知らずの向き：逆さまや隣の歯に近い場合は慎重な処置が必要で費用が増える</li>
<li aria-level="1">副作用の有無：炎症が強い、嚢胞がある場合は追加治療が必要で費用が増加する</li>
<li aria-level="1">担当歯科医師：複雑なケースや口腔外科専門医に紹介された場合は費用が高くなる傾向がある</li>
<li aria-level="1">治療を受ける歯科センター：公立病院は費用が安いが待ち時間が長い。社会保険がある場合は900バーツの給付を利用し、差額を私立病院で支払うことも可能。詳細はパヤタイ1病院歯科センターにお問い合わせください。</li>
</ol>
<h2><span style="color: #00826a;">親知らず手術前の準備</span></h2>
<ol>
<li aria-level="1"><span style="color: #00826a;"><strong>事前に休暇を取る</strong></span> 手術後は痛みや腫れがあり、麻酔の効果が12～24時間続くこともあるため、最低1～2日は自宅で安静にしてください。</li>
<li aria-level="1"><span style="color: #00826a;"><strong>送迎の手配</strong></span> 手術後は圧迫感があり休息が必要なため、自分で運転して帰るのは避け、送迎者やタクシーを利用してください。</li>
<li aria-level="1"><span style="color: #00826a;"><strong>医師の指示に従い薬を服用</strong></span> 手術前は医師の指示に従い、服用中の薬を報告し、特に血液凝固に影響する薬は注意が必要です。</li>
<li aria-level="1"><span style="color: #00826a;"><strong>柔らかい食事の準備</strong></span> 手術後の痛みは1～2日続くことが多く、外出したくない場合もあるため、おかゆ、スープ、プリン、ヨーグルトなど噛まずに食べられるものを用意してください。</li>
<li aria-level="1"><span style="color: #00826a;"><strong>その他の注意事項</strong></span></li>
</ol>
<ul>
<li aria-level="1">手術前は十分な睡眠（最低8時間）をとる</li>
<li aria-level="1">ゆったりした服装で来院し、長髪の場合は後ろでまとめる</li>
<li aria-level="1">アクセサリーや化粧、口紅は避ける</li>
</ul>
<h2><span style="color: #00826a;"><strong>親知らずの手術の流れと所要時間は？</strong><br />
</span></h2>
<p>親知らずの手術の簡単な流れは以下の通りです。</p>
<ol>
<li aria-level="1"><span style="color: #00826a;"><strong>血圧測定</strong></span> 持病がある方や高齢者は手術前に血圧を測定します。高血圧の場合は出血リスクが高まるため、血圧が安定するまで手術を延期することがあります。</li>
<li aria-level="1"><span style="color: #00826a;"><strong>麻酔注射</strong></span> 抜歯や手術前に麻酔を注射し、効果を確認してから次のステップに進みます。患者は軽い圧迫感を感じるだけで心配ありません。毎回歯科医師が評価します。</li>
<li aria-level="1"><span style="color: #00826a;"><strong>歯茎の切開</strong></span> 親知らずが完全に生えていない場合や一部だけの場合、歯科医師が丁寧に歯茎を切開して親知らずにアクセスします。</li>
<li aria-level="1"><span style="color: #00826a;"><strong>親知らずの除去</strong></span> 必要に応じて骨を少し削り、親知らずを小さく分割して取り出しやすくします。この間、患者は軽い圧迫感を感じますが、歯科医師が効率的に抜歯できるように動かします。</li>
<li aria-level="1"><span style="color: #00826a;"><strong>洗浄と縫合</strong></span> 親知らずを完全に除去した後、傷口を洗浄し縫合します。出血が止まっていることを確認し、追加の指示や薬を処方します。抜糸は7～10日後に行います。</li>
</ol>
<p>通常、親知らずの手術は20～45分程度ですが、難易度によっては数時間かかることもあります。口腔内検査やレントゲンで単純と判断されても、実際の治療で予期せぬ困難が見つかることがあります。</p>
<p>歯の健康管理は体の健康管理と同様に重要です。親知らずがあっても症状がなくても、合併症を防ぐために放置しないことが大切です。</p>
<p>最も良いのは、経験豊富な専門歯科医師に相談し、患者個々の安全性と適合性を考慮した治療計画を立ててもらうことです。これにより満足のいく治療結果が得られます。</p>
<p>&nbsp;</p>
<div style="text-align: right;"><span style="color: #00826a;"><strong>歯科医師 アリヤ・パッタポン</strong></span></div>
<div>
<div style="text-align: right;">一般歯科専門医</div>
<div style="text-align: right;">パヤタイ1病院歯科センター</div>
</div>


親知らずにはいくつかの種類があり、炎症を引き起こしたり、他の歯科問題を生じさせることがあります。親知らずの治療には、親知らずの切開と親知らずの抜歯の2つの方法があります。

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