いびきはなぜ起こるのか?
いびきの症状は、上気道が狭くなることによって起こります。私たちが深く眠っている間、口の中の筋肉が弛緩し垂れ下がって気道を塞ぐことがあります。また、場合によっては鼻腔内の組織が腫れることもあり、空気が気管や肺にスムーズに通過できなくなります。気道が塞がれると上気道が狭くなり、軟口蓋や咽頭壁、声帯蓋などの軟組織が振動していびきの音が発生します。
どのようないびきが健康に悪影響を及ぼすのか?
いびきは一般的に誰にでも起こり得ます。いびきだけで睡眠時無呼吸症候群を伴わない場合は、周囲の人に迷惑をかけたり、からかわれて恥ずかしい思いをする程度の悪影響にとどまることが多いです。
しかし、いびきに睡眠時無呼吸症候群が伴う場合は、これらの問題に加えて健康にも悪影響を及ぼします。睡眠中に呼吸が止まると血中の酸素濃度が低下し、これを低酸素症(Hypoxia)と呼びます。全身の細胞に十分な酸素が供給されなくなり、この状態の人は長時間寝ていても十分に眠れた感じがしないことが多いです。また、イライラしやすくなったり集中力が低下することもあります。
もう一つの重要な問題は、血中酸素が低下することで大量の活性酸素が細胞に発生し、酸化ストレス(Oxidative stress)を引き起こすことです。これは全身の細小血管の壁に炎症を起こし、各臓器の血流異常を招きます。その結果、細胞の老化が進み、早期老化(Ageing)を引き起こします。長期間続くと、糖尿病、高血圧、心血管疾患、認知症やアルツハイマー病、変形性関節症、緑内障、白内障など多くの疾患の発症リスクが高まります。
したがって、いびきの症状があり、睡眠時無呼吸症候群の可能性が疑われる場合は、早めに医師に相談し、検査・診断を受けて適切な治療計画を立てることが重要です。
軟口蓋の弛緩によるいびきと睡眠時無呼吸症候群の治療
実際、いびきの約80%は軟口蓋の振動によって発生します。軟口蓋の弛緩は上気道の狭窄の一因であり、これが睡眠時無呼吸症候群(OSA)を引き起こすこともあります。
従来のいびき治療の手術法
患者のいびきの原因が軟口蓋の弛緩や長い口蓋垂(のどちんこ)である場合、手術による治療が可能です。従来は、手術用メスを用いて軟口蓋を直接切除・縫合する「口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(Uvulopalatopharyngoplasty / UPPP)」が行われてきましたが、以下の欠点があります。
- 手術時間が長い
- 手術中の出血量が50~100ccと多い
- 術後の痛みが強い
- 入院期間が2~3泊必要
- 回復に時間がかかる
- 術後の咽頭の傷跡が美しくない
新しいいびき治療の手術法
現在、世界的に認められている非常に優れた新技術として、「修正CAPSO法(Modified CAPSO technique:修正焼灼補助軟口蓋硬化術)」が開発されています。これは軟口蓋と口蓋垂の縫合を伴う「修正CAPSOおよび口蓋垂軟口蓋形成術(Modified CAPSO and Uvulopalatoplasty)」と呼ばれ、以下の利点があります。
- 手術時間が短い
- 出血量が非常に少なく1~2cc以下
- 術後の痛みが少ない
- 入院期間が1~2泊で済む
- 回復が早い
- 術後の咽頭の傷跡が美しい
この手術は軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群(Mild and Moderate OSA)の患者に適していますが、レーザーによる扁桃組織の縮小手術(LASER Tonsilloplasty)や扁桃修復縫合、さらにクリニック独自の技術であるスプリングピラーインプラントを併用した「修正CAPSO+スプリングピラーインプラント=ハイブリッド修正CAPSO(Hybrid Modified CAPSO)」と組み合わせることで、中等度から重度の睡眠時無呼吸症候群(Moderate to Severe OSA)にも対応可能です。
